ハエの話ハエの話暑い国だけあって、ハエも多い。 食品や果物を露店で売っている場所もあったり、衛生状態も日本と比べると かなり悪いので、ハエが繁殖する条件はそろっている。 まだ、インドネシアに住み始めてから、2-3ヶ月のころ。 そのころは、言葉にも生活にも慣れていなくて、毎日失敗の連続で ばたばたと過ごし、いやだよ~、日本に帰りたいよ~、と思っていた。 パパは、仕事が忙しくて毎日帰りも遅く、あまり家のことは、頼れない。 なんとかしてくれ~と、思っていたある日、事件がおきた。 夜、部屋で、子供たちを寝かせようと、ベッドで絵本を読んでいた。 すると、どこからともなく、ブーンという音がして、黒い小さな生き物が部屋の中を飛び回りだした。音の正体は、ハエ。 ぶんぶんと、うるさいなあと、例の電撃ラケットで、撃退。 大きなハエの場合、気絶した後10秒くらいで、すぐに復活して飛び立ってしまうので、気絶している間に、丸めた新聞紙でたたくか、殺虫剤をシューっとひとふきする。 やれやれ、と、ふたたび絵本を読み出すと、また一匹ハエが。。。 なんで?と思いつつ、電撃ラケットで、やっつける。 でも・・・ やっつけた、と思ったら、今度は続けて2匹。 おかしい。 いったいどこから、入ってくるんだろう??? 窓は締め切ってあるし、部屋のドアもかぎを掛けてある。 2匹をやっつけて、しばらく待つ。また一匹入ってくる。 やっつけても、やっつけても、またハエが現れる。 いったい、どうなってるの?! だんだん気味が悪くなってくる。とりあえず、子供を他の部屋に移して、ハエと戦闘態勢に入った。 やっつけながら、観察していると、どうやら、部屋の明かりの電球のあたりから、現れるようだ。 その部屋の明かりは、天井に直径12センチくらいの丸い穴が開いていて、電球がはめ込まれている。一部屋で、明かりが5箇所。そのうちの、一箇所の穴から、ハエは、出てくる。 多分、天井裏から、ハエが入ってくるんだろう、ということは、分かった。 でも、ハエの登場は、終わることがない。 電撃ラケットで、ビリビリッ、新聞紙でバチッ、または、殺虫剤でシューッ。 繰り返しているうちに、床には、点々と死んだハエが。 あまり、気持ちのいいものでは、ない。 戦うこと1時間。まだまだハエの登場は続く。 こんなにたくさんのハエが、一晩のうちに、なぜ、うちの中に入ってくるのか。そして、なぜ、一匹づつ現れるのか。 何かの映画みたい。。。と思いつつ、だんだん怖くなる。 電気を消したらどうだろう、と思い、”ハエの部屋”の電気を消して、ドアをしめて、一旦他の部屋に移った。 そのとき、やっとパパが帰ってきた。 おそるおそる、2人で部屋をのぞくと、ぶんぶん音がする。 電気を消してもだめか。 こうなったら、徹底的に戦うしかない。 ハエに翻弄され、ラケットを部屋の中で振り回す2人。 ある意味、滑稽である。 戦いは、夜11時すぎまで続き、やっと、ハエが出てこなくなった。 床をほうきで掃いて、ハエを片付ける。ちりとりいっぱいのハエ。 いったい何だったんだろう。。。 ハエをざっと数えると、約100匹。(!) 疲れた。。。気味が悪い。。。 当時、ますます日本に帰りたくなったのは、言うまでもない。 天井裏に、ハエが繁殖する元になるようなものがあるといやだなあ、と思い、次の日、大家さんに、電話をして、天井裏を調べてもらった。しかし、天井裏には何もなかった。 なぜ、ハエがあんなに大発生したのかは、今でも謎のままだ。 ジャンル別一覧
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