122140 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

にのねぬな

にのねぬな

ハエの話

ハエの話

暑い国だけあって、ハエも多い。
食品や果物を露店で売っている場所もあったり、衛生状態も日本と比べると
かなり悪いので、ハエが繁殖する条件はそろっている。

まだ、インドネシアに住み始めてから、2-3ヶ月のころ。
そのころは、言葉にも生活にも慣れていなくて、毎日失敗の連続で
ばたばたと過ごし、いやだよ~、日本に帰りたいよ~、と思っていた。
パパは、仕事が忙しくて毎日帰りも遅く、あまり家のことは、頼れない。
なんとかしてくれ~と、思っていたある日、事件がおきた。

夜、部屋で、子供たちを寝かせようと、ベッドで絵本を読んでいた。
すると、どこからともなく、ブーンという音がして、黒い小さな生き物が部屋の中を飛び回りだした。音の正体は、ハエ。
ぶんぶんと、うるさいなあと、例の電撃ラケットで、撃退。
大きなハエの場合、気絶した後10秒くらいで、すぐに復活して飛び立ってしまうので、気絶している間に、丸めた新聞紙でたたくか、殺虫剤をシューっとひとふきする。

やれやれ、と、ふたたび絵本を読み出すと、また一匹ハエが。。。
なんで?と思いつつ、電撃ラケットで、やっつける。
でも・・・
やっつけた、と思ったら、今度は続けて2匹。
おかしい。
いったいどこから、入ってくるんだろう???
窓は締め切ってあるし、部屋のドアもかぎを掛けてある。
2匹をやっつけて、しばらく待つ。また一匹入ってくる。
やっつけても、やっつけても、またハエが現れる。

いったい、どうなってるの?!
だんだん気味が悪くなってくる。とりあえず、子供を他の部屋に移して、ハエと戦闘態勢に入った。

やっつけながら、観察していると、どうやら、部屋の明かりの電球のあたりから、現れるようだ。
その部屋の明かりは、天井に直径12センチくらいの丸い穴が開いていて、電球がはめ込まれている。一部屋で、明かりが5箇所。そのうちの、一箇所の穴から、ハエは、出てくる。
多分、天井裏から、ハエが入ってくるんだろう、ということは、分かった。

でも、ハエの登場は、終わることがない。
電撃ラケットで、ビリビリッ、新聞紙でバチッ、または、殺虫剤でシューッ。
繰り返しているうちに、床には、点々と死んだハエが。
あまり、気持ちのいいものでは、ない。

戦うこと1時間。まだまだハエの登場は続く。
こんなにたくさんのハエが、一晩のうちに、なぜ、うちの中に入ってくるのか。そして、なぜ、一匹づつ現れるのか。
何かの映画みたい。。。と思いつつ、だんだん怖くなる。

電気を消したらどうだろう、と思い、”ハエの部屋”の電気を消して、ドアをしめて、一旦他の部屋に移った。
そのとき、やっとパパが帰ってきた。
おそるおそる、2人で部屋をのぞくと、ぶんぶん音がする。
電気を消してもだめか。
こうなったら、徹底的に戦うしかない。
ハエに翻弄され、ラケットを部屋の中で振り回す2人。
ある意味、滑稽である。

戦いは、夜11時すぎまで続き、やっと、ハエが出てこなくなった。
床をほうきで掃いて、ハエを片付ける。ちりとりいっぱいのハエ。
いったい何だったんだろう。。。
ハエをざっと数えると、約100匹。(!)

疲れた。。。気味が悪い。。。
当時、ますます日本に帰りたくなったのは、言うまでもない。

天井裏に、ハエが繁殖する元になるようなものがあるといやだなあ、と思い、次の日、大家さんに、電話をして、天井裏を調べてもらった。しかし、天井裏には何もなかった。

なぜ、ハエがあんなに大発生したのかは、今でも謎のままだ。


© Rakuten Group, Inc.
X